こんにちは。設計の酒井です。
私はリノベーションで「古建具」を取り入れることがあります。昔の職人さんの手仕事の繊細さ、そして経年変化が生み出す味。新品では出せない魅力がありす。
私自身も、建築にたずさわる中で何回も古建具を使っていますが、そのたびに「やっぱり、いいなあ」と感じてしまうのです。では実際、古建具の何がいいのでしょうか。私なりにメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
①すでに経年変化している
新品の建具が時を重ねていくように、古建具はすでに時間をつむいできています。木の色味も、金物のくすみも、それぞれが一つの「表情」です。これが空間全体に落ち着きと渋さを与えてくれます。
②京都町家や古民家との相性が抜群
古建具は、元々そうした家に使われていたものです。だからこそ、空間への馴染み方が自然で違和感がありません。「和」の空気感を持ち込むには、これ以上ないアイテムです。
③比較的リーズナブル 意外かもしれませんが、状態の良い古建具は新品よりも価格が抑えられていることもあります。
デメリット
①探すのに時間がかかる
サイズ・デザイン・状態の良いものを見つけるのには、ある程度の「根気」と「縁」が必要です。まるで骨董市を歩くような感覚です。
②枠を建具に合わせて作る必要がある
古建具は基本的にオーダーメイド。今の建物とは寸法が違うことが多いため、建具に合わせて枠を制作する必要があります。
③建具が傷んでいる場合は補修が必要
木部の割れ、金物のぐらつき、塗装の剥がれなど、多少のダメージはつきものです。でも、それを補修しながら使うのも、また一つの「手仕事の楽しみ」かもしれません。
古いものを、新しい暮らしへ
古建具を取り入れるということは、単に「物を使う」ことではなく、時間を受け継ぐということかもしれません。「ちょっとだけ古さを持ち込みたい」と思ったら、ぜひ古建具を選択肢に入れてみてください。うまくハマれば空間を引き立ててくれる素敵なスパイスになります。
実は4/26、4/27の見学会のお家にも古建具をいれています。良ければぜひ見学会にお越しください!