懐かしい新築

単純に生きられたらと、人はだれしも思うこと。
持ち物を減らして、テレビを消して、いろんなものを削っていったら
とても楽に生きられるんじゃないかと思ったりしませんか。

でも「シンプル」という言葉はなんか違う。
真っ白な平面で区切られたモダニズムよりも、もっと人にとって大事ななにかなんです。

たとえば僕の趣味はアナログレコード集めなのですが、音楽を聴くのにとても手間がかかります。
真空管が温まるまで待たなくてはならないし、曲を途中で飛ばして次の曲なんてできません。
それでもちゃんと「音」がそこにあることが実感できる。
「便利」でなく「充実」。

5年10年たてば終わってしまうようなデザインよりも、100年たっても「いいなあ」と思える暮らし方がいいです。

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家の形を考えるとき、素直な造形にしたいといつも願っています。
シンプルという言葉とちょっと違う、そう、懐かしいカタチ。
僕はそこに美があると思います。

美しいものに囲まれたなら、それは理想の居場所なんじゃないか。
足るを知り歳月の重みに流されない、そんな強さに安心するのでしょう。

実際には難しいかもしれないけれど、
家づくりがあなたの生き方そのままになるのなら、
素敵な家を建ててください。

2024年もダイシンビルドをよろしくお願いします。

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佐藤隆幸

佐藤隆幸

美大で油絵を学んで、手伝いのつもりで入った設計事務所の先生が茶道の名人。茶室の真髄を目の当たりにして(驚愕して!)そのまま建築設計の道へ。 モネもフェルメールも等伯も、バウハウスも現代建築家の諸作品も、僕にとっては同じ地平にあります。 住宅建築で大切なことは、調和とバランス。内と外の関係性。日常と非日常をゆるやかに結びつけるための調和であり、私たちの暮らしが豊かなものになるために関係性をデザインすることは、とても重要なことなのです。 玄関へ向かう路地は、日常から非日常へ移行するハレの空間。リビングから見える緑や眺望は、何ものにも代えがたい生活の宝物です。 住宅設計に携わって30年余り。大分から大阪へやって参りました。休日に京都の古寺を歩くのが楽しみで、クラシックの古いレコードも楽しみのひとつ。根っからの活字人間なので 谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」がmilestoneです。
佐藤隆幸

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