幸運にも、堀部安嗣さんの自邸を見学するという機会が訪れた。
もちろん会社の研修旅行なのだけど、こんなチャンスは滅多にない。
建築家の自邸というものは、なぜか開放されて自由な感じかする。それはクライアントがどうとかとか、コンセプトがどうとかという問題ではなく、すごく自由な感じがした。
そう、自由。
一歩堀部氏の自宅に足を踏み入れた瞬間、自由だなあと思った。
なんていうのでしょう、空間が自由をしている!と思ったのだ。
とてもいい意味で、コンセプトが希薄な印象を受けた。その分気持ち良さが優先されていて、なんとも言えず心地がよい。
直接堀部氏に伺ったわけではないので、本当のところはわからないのだけれど、好きにできた開放感みたいなもの。
天井の格子の交差してる感が気持ちいいとか、半分外の薪ストーブのあたりの低い感じがいいとか色々あって、写真もたくさん撮ったけど、ここは描くしかあるまいと思って、小さなノートに何枚か走り書きをした。
自分で手を動かしてみると、気持ち良さの秘密にちょっとだけ触れた気がした。





