幸運にも、堀部安嗣さんの自邸を見学するという機会が訪れた。
もちろん会社の研修旅行なのだけど、こんなチャンスは滅多にない。
建築家の自邸というものは、なぜか開放されて自由な感じかする。それはクライアントがどうとかとか、コンセプトがどうとかという問題ではなく、すごく自由な感じがした。
そう、自由。
一歩堀部氏の自宅に足を踏み入れた瞬間、自由だなあと思った。
なんていうのでしょう、空間が自由をしている!と思ったのだ。
とてもいい意味で、コンセプトが希薄な印象を受けた。その分気持ち良さが優先されていて、なんとも言えず心地がよい。
直接堀部氏に伺ったわけではないので、本当のところはわからないのだけれど、好きにできた開放感みたいなもの。
天井の格子の交差してる感が気持ちいいとか、半分外の薪ストーブのあたりの低い感じがいいとか色々あって、写真もたくさん撮ったけど、ここは描くしかあるまいと思って、小さなノートに何枚か走り書きをした。
自分で手を動かしてみると、気持ち良さの秘密にちょっとだけ触れた気がした。

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佐藤隆幸
美大で油絵を学んで、手伝いのつもりで入った設計事務所の先生が茶道の名人。茶室の真髄を目の当たりにして(驚愕して!)そのまま建築設計の道へ。 モネもフェルメールも等伯も、バウハウスも現代建築家の諸作品も、僕にとっては同じ地平にあります。 住宅建築で大切なことは、調和とバランス。内と外の関係性。日常と非日常をゆるやかに結びつけるための調和であり、私たちの暮らしが豊かなものになるために関係性をデザインすることは、とても重要なことなのです。 玄関へ向かう路地は、日常から非日常へ移行するハレの空間。リビングから見える緑や眺望は、何ものにも代えがたい生活の宝物です。 住宅設計に携わって30年余り。大分から大阪へやって参りました。休日に京都の古寺を歩くのが楽しみで、クラシックの古いレコードも楽しみのひとつ。根っからの活字人間なので 谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」がmilestoneです。
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